\こんにちは、三宮SOL店ナカイです。/
シサムコウボウで人気のこちらの革靴ブランド
GROW NATURALLY (グロウナチュラリー)は
O.D.R.F. (オーディーアールエフ)という会社の
大野さんを筆頭に
大阪 西成の靴職人さんが
一点一点手作業で作ってくださっています。
みなさまも、愛用して頂いていたり、
一度はお店で見られたことはあるのではないでしょうか?
こちらの革靴が、
一体どうのように作られているのか
先日、見学に行って参りました!
三宮SOL店で一番フレッシュ
お客様目線に近い
スタッフ フジイからの質問に答えながら
レポートしていきます。
(左/スタッフ : ナカイ 右/スタッフ : フジイ)
\よろしくお願いします~/
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フジイ(以下 フ) :「まず、この革靴はどなたがデザインされているんですか?」
ナカイ(以下 ナ) :「O.D.R.F.代表の大野さんがデザインされています!」
ナ「大野さんがまず、靴の完成形をイメージしてデザイン画を描かれます。
ソール(底)のデザイン違い等も含むと、100型以上あるそうです!」
フ「100型!すごい!」
フ「紙に描いたデザインをどうやって形にするんですか?靴って立体ですよね?」
ナ「いい質問です! そこから実際の革靴作りの工程に入っていきます!」
ナ「革靴作りの大まかな流れはこんな感じ。たくさんの工程がありますが、
それぞれ専門の職人さんが携わって、一足の革靴ができていきます」
フ「こんなにも段階があるとは。。驚きですね!」
ナ「本当に! 手間ひまかかっているんです!」
ナ「まずは、紙型氏さんが
デザイン画から紙型のパターンに落とし込みます。
デザイン画を元に、木型に絵を描き、
そちらを平面の紙の紙型にします。」
ナ「一個ずつできたパターンに対して、
サイズ毎に大きさも違うんです。」
こちらが紙型です!」
フ「そういえば、「型紙」ではなく「紙型」なんですね。」
ナ「大野さんも理由は分からないそうなんですが、
靴業界では何十年も前から、紙型や紙型師と呼ぶそうです。」
フ「業界用語というものでしょうか・・
服作りでいう所のパタンナーさんですね!」
ナ「その通り!
でも、服と違う点は、非対称である、ということ。
プレーンなデザインの靴でも、
人間の足に合わせると、土踏まず等があるので、
内側と外側が同じラインでは
履ける形にならないんです」
フ「本当ですね!確かに、紙型を中央で折りたたんでも
ぴったり重ならずにズレて重なってますね。」
ナ「デザイン通りの靴が仕上がるかどうかの
第一歩を担う、想像と計算、
経験から成り立つ工程ですね!」
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フ「この紙型を元に革を裁断していく訳ですね!」
ナ「はい!続けて「裁断師」さんの工程へ移ります。
裁断師さんの工程は実際に見せて頂きました。」
「こちらが裁断場、
GROW NATURALLYの靴の
革はこちらで裁断されています。
裁断師の山崎さんにお会いしてきました!」
フ「おおお~!この方が裁断してくださっているんですね。
裁断って、ハサミで切っていくんですか?」
ナ「いえいえ、
革、特に
GROW NATURALLYの靴で使っている
タンニンなめしの革は堅さがあるので、
鏨(たがね)と
クリッカーというプレス機を使って裁断します。」
フ「鏨(たがね)?」
ナ「革を型抜きするための金型を鏨といいます。」
紙型師さんが作った紙型に合わせて、歯型屋さんに制作してもらうそうです。
靴はいくつもパーツに分かれているので、もちろんパーツ毎、
そしてサイズ毎に鏨を作ります。
歯は革を切るものだけあって鋭利でした!」
ナ「工房では、種類ごとに鏨を箱ごとに分けて保管されてます。」
ナ「こちらの写真は1番人気のショートブーツGN-7の鏨ですね。
いちばんパーツが多く、9つにも分かれてます!」
フ「パズルみたいですね~
気を付けないとサイズが違う物が混ざってしまいそう…」
ナ「実はちゃんと目印がついてるんですよ〜(にやり)」
ナ「このギザギザの数がサイズの目印なんです!」
フ「そんな所にも工夫が!」
フ「ちなみに、この針はなんですか?」
ナ「靴ひもが通る穴や縫製の目印に
なる場所だそうです!」
ナ「裁断師の山崎さんはこちらの鏨を使って、
プレス機で革を型抜きしていかれます。
っと!一言で言っても簡単なものではないんです!」
フ「と、言いますと・・?」
ナ「店頭で革靴を手にとって分かるように
タンニンなめしの革は一点ずつ表情が異なります。
元々は、こんな大きな革なんですが、」
フ「大きい!牛さん1頭分ですか?」
ナ「ね!私も大きさにビックリしました〜
こちらの大きさで半身だそうです。」
ナ「私には1枚の革にしか見えなかったのですが、
山崎さんは革の表情を見るだけで、
その革がどこの部位かすぐ分かるそう!」
ナ「この半身の中で、お尻やお腹など
それぞれの部位で革の柔らかさや表情が違うので、
どこの革靴パーツにどこの革を使うかを見極める!
そこが一番の腕の見せ所になります!」
フ「革への愛を感じますね。。。
柔らかさでいうと、山崎さんの革の采配で
履き心地もかわりますよね?」
ナ「そうなんです。機能面でも、しっかり足を守る部分、
曲がりやすい方がいい部分、それぞれありますしね。
靴のトップはやっぱり一番綺麗なところを使います。
一番きれいなのはお尻のところだそう。
お腹の柔らかいところなど
全体的に、動くところはシワができやすいそうです。」
フ「それぞれ向き不向きがあるんですね。」
ナ「そうなんです!」
フ「それにしても、
こうして革を見ると…美しいですよね(うっとり)」
ナ「本当に!自然の色ってやっぱりきれいですよね~」
ナ「その分、表情や色味も、仕上がりに大きく影響するので、
ひとパーツひとパーツ型抜きしていく際、
左足のパーツを切り抜いたら、
そのすぐ隣で右足のパーツを切り抜く
というように左右差がでないように、
そして、無駄な革がでないように全体を見ながら作業していきます。」
ナ「さらに、自然に近い状態の革なので、
傷をよけて型抜きすることにも細心の注意が必要なんだそうです。
型抜きの作業に入る前に
あらかじめ、チャコペンで傷の部分に印をつけられています。」
フ「見失いそうですもんね~」
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フ「表情・色味・傷・柔らかさ…
たくさん気を使わなければいけないところがある
この革を、なぜ大野さんは選ばれたんでしょうか?」
ナ「GROW NATURALLYの靴で使われている革は
【栃木レザー】という会社で作られている、
タンニンなめしの革です。」
ナ「化学薬品を使ったクロムなめしの革に比べ、
環境に負荷のないタンニンなめしの革は、
色合いや風合いなど不均一なため、
バッグや小物で使われることが多く、
左右対称に作らなければならない靴づくりでは、
扱うのがとても難しいそうです。」
ナ「しかし、やはり革の肌触りや、
経年変化で生まれる革特有の風合いは抜群で、
この革だからこそ作れるものがある!と、
『 【タンニンなめしの靴づくり】 にこだわっていく 』
という強い意志を持って製作してくださっています!」
フ「環境にも優しいんですね!
そして味わい深い素材…
そういえば、GROW NATURALLYの他に
栃木レザーの靴って見たことないかもです…!」
ナ「昔は【栃木レザー】のように
手間暇かけて作っている革屋さんが
ほとんどだったそうなんですが、
日本の経済の発展に合わせると
今の消費のスピードに合わなくなり、
化学的な技術で
ものを作る体制にしてきた
革屋さんが多い中、
栃木レザーは希少な存在ですね~!」
フ「なるほど~ふむふむ。」
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ナ「さて、いよいよプレスしていきます!
こちらがプレス機!」
フ「おぉ~かっこいいですね!」
ナ「1プッシュに20tもの圧力がかかるので、
革だけでなく、鏨を押さえてる手の位置も
気をつけなければなりません。」
フ「はさんでしまったらって考えると恐ろしいですね。。」
ナ「体験させて頂いたんですが、
鏨を革に置いた後は、
『右手はプレス機のレバー、
左手は体の後ろ!危ないから!』
と教えていただきました。」
フ「おお~!貴重な体験ですね!」
ナ「ドキドキしちゃいました~」
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フ「結構、体力がいりそうな作業ですが、
山崎さんっておいくつなんですか?」
ナ「『60!』と元気に仰っていました!」
フ「若々しいお方ですよね~」
ナ「優しい表情が素敵な方でした!
山崎さんは、
お父様が靴づくりの仕事をしていたことがきっかけで、
この世界に入ったそうです。」
ナ「今は、裁断専門でお仕事をされていますが、
以前は靴づくりのすべてに関わっていたので、
ご自分で靴を作ることができるそうです。
お父様の手伝いをしながら始めたばかりの頃は、
サンプル品と、自分の作った本製品の違いに
『よう怒られたわー』と笑いながらお話してくださいました。」
フ「人に歴史あり!ですね」
ナ「仕事は、相手から教えてもらうんやなくて、
分からんことがあったら、自分から聞きにいくんや。」
と、仕事に対する姿勢を教えてくださいました!」
フ「職人気質!ってかんじですね~」
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山崎さんとご一緒に集合写真!
(左上/スタッフ:ナカイ 中央上/online storeスタッフ:サタケ 右上/卸スタッフ:マツダ
左下/シサムコウボウ代表:ミズノ 中央下/山崎さん 右下/卸スタッフ:ヤバタ)
ナ「がっつりとお話ししてきたのですが、
今日はひとまず、ここまで!
次回に続きます!」
フ「ひとつの工程でも
たくさん工夫があって…
職人さんの手仕事って奥が深いですね…」
ナ「次回も引き続きディープなお話をしていきます!」
ナ・フ「お楽しみに~!」
三宮SOL店 ナカイ