こんにちわ。シサムコウボウのイケザワです。

SISAM COFFEEのルーツをたどる旅のブログ。

今回は生産者のご紹介です。 先日紹介した、フィリピン出張記: SISAM COFFEEのルーツをたどる旅:『村への訪問編』①

でも紹介したサグパット村から、2名の農家さんにインタビュー内容を紹介させていただきますね。

Interview no.1

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名前  : アーノルド・アンパール (37歳)

出身地 : キブガン町・サグパット村

趣味  : 農業について考える事

インタビュー

アーノルドさん(以下、ア) : 今日は遠いところ、ようこそ

イケザワ(以下、イケ)  : こちらこそ。お昼ごはんとかも用意してくださって、ありがとうございます。では、さっそくインタビューを

いつからコーヒー栽培をはじめていますか?

ア) : 本格的には、2005年からです。CGN(コーディリエラ・グリーン・ネットワーク)との出会いがあってからですね。

イ) : へぇ~、では、もうかれころ10年以上もコーヒーの栽培をされてるんですね~。 そのCGNとであったきっかけって何だったんですか?

ア) : 町の町長さんからの紹介でしたね。昔からサグパットでは、各農家でコーヒーが栽培されてたんだけど、ほとんど家庭での消費程度の量しかつくられてなかったんです。それを本格的に栽培を始めないか?ってとこからでした。私もそれをきっかけに本格的に栽培を始めました。

イ) : なるほど~。 じゃあ、本格的に栽培を始めて何か変化はありましたか?

ア) : 収入は確実に増えましたよ。

イ) : コーヒーのバイヤーは、CGNにだけ?

ア) : いえ、マニラからもバイヤーが来て、買っていきます。

※ここ数年のコーヒーブームはフィリピンで同様。マニラのバイヤーはコーヒーの質にかかわらず市場価格より高値で買ってくれるので、農家さんにとっては甘えにつながる可能性も。CGNはそんな農家にも、クオリティーを落とさないように説得し、指導をつづけてくれている。コーヒーブームが去って、市場価格が下落しても生き残るためにも、クオリティーを保つ事が大切。

イ) : コーヒー以外にも収入源は?

ア) : サヨテ(ハヤトウリ) と 豆 ですね。

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サヨテ(ハヤト瓜) コーディリエラ地方では盛んに栽培されている野菜の一つ。焼畑をした後はだいたいがこのサヨテの栽培がされているので、環境破壊にもつながっている。コーヒー農家の多くは、サヨテを栽培している下にコーヒーを栽培している。

イ) : コーヒーより前から?

ア) : うん、ずーっと

イ) : コーヒーの栽培方法はどうやって勉強したの?

ア) : ベンゲット大学 や 農業省からのサポートがあってそこで勉強したのが最初。 (※アーノルドさんはベンゲッド大学の卒業生)

イ) : じゃあ、CGNに教えてもらったわけじゃないんですね。

ア) : そうですね。でもCGNやヒロさんたちが来て、知識はとてもふかまったよ。

イ) : どんなところが?

ア) : アグロフォレストリーの事とか、コーヒーの乾燥方法とか、害虫対策とか、新しい事をいろいろ教えてもらってます。

イ) : そうなんですね。じゃあ、CGNがサポートに来てくれてよかったですか?

ア) : もちろん!! アグロフォレストリーは木を伐らなくてもいいし、環境にもいいから、いいことだらけだよ。それにCGNは植林用の苗木もサポートしてくれるしね(笑)

イ) : コーヒー栽培で何か困っている事はないですか?

ア) : パルパー(果肉除去機)がたりてないです。村に1台しかないから、収穫時期にはみんなが必要になって時間がたりない状況。あとは、脱穀機 と ドライベッドがないからこれも今後の課題ですね。

イ) : 何か予定ありますか?

ア) : CGNがサポートしてくれないかなー(笑)
※既に、ある程度のサポートがあり、コーヒーからの収入もあるので、極力自分たちの力でなんとかするのが基本。
アーノルドさんもそれが分かっての冗談。

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イ) : 他にCGNにしてほしいことって何かある?

ア) : 次の収穫に向けてまたサポートしてほしいな。

イ) : 具体的には?

ア) : 害虫対策とか、あとは収穫後は買ってほしい。今年だけでなく、CGNサポートはずっと大切だとおもってます。

イ) : 日本のSISAM COFFEE ファンに一言!

ア) : 私たちが収穫したコーヒーがこのような商品になっている事、日本の人たちと繋がっている事がラッキーだと思います。感謝しています。

インタビューはここで終了。

アーノルドさん情報を補足しておくと、

現在は、お母さんと、弟さんとの3人暮らし。まだ独身で、早く結婚したいらしい。

将来の夢は、 トリニダッド(ベンゲッド州の州都)でコーヒーショップを開くこと。

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Interview no.2

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名前  : デイビッド・ロペス (57歳)

出身地 : キブガン町・サグパット村

夢  :  子供たちの自立

インタビュー

デイビッドさん(以下、デ) : 初めまして!

イ) : お時間いただいてありがとうございます。さっそくインタビューを始めさせていただきますね。

― コーヒーの栽培はどれぐらいされてますか?

デ) : う~ん、いつぐらいかな~。たぶん、もう20年くらい・・・。 でも、本格的に始めたのは2005年にCGNのサポートが入ってからですねー。それまでは、自家消費とご近所さんに分けたり、売ったりしてた程度でした。

イ) : コーヒー以外に何か栽培してますか?

デ) : ポテトと豆、レモン、あとお花 (※コーディリエラ地方では、切り花はとても大きなマーケット。年に1回、切り花祭りもあるらしい)

イ) : サヨテは?

デ)   : サヨテは結構前にやめました。

イ) : どうしてですか?

デ) : 以前栽培していたら、全部病気で枯れてしまったんでね・・・。他の作物とか森の事を考えてもよくないと思ったのでやめました。

イ) : それで、収入は十分ですか?

デ) : 農業だけではやってけないので、他に工事現場での仕事にいったりもしています。

イ) : なるほど。コーヒーの収穫では十分ではない?

デ) : そうですね。まだまだ収穫量が少ないですし、あとコーヒーは年に1回だけですから、いずれにしてもいろいろな作物を作る必要があるし、収入源はいろいろもっている必要があるんですよ。

イ) : なるほどー。コーヒーはCGNにだけ販売いるんですか?

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デ) : いえ、まだ近所の人に売る場合もあるし、マニラのバイヤーにも売る事があります。マニラのバイヤーは、豆を乾燥させる前に買ってくれるケースもあるので、ちょっと楽なんですよね・・・・。

イ) : そうですよねー。乾燥はやっぱり大変ですか?

デ) : そうですね。今の所、しっかりした設備もないので、家の近所の広場で乾燥させたりしてます。雨が降りそうな時は近所の農家さんと声をかけあったりして気を付けながらやってるんですけどね・・・。設備がまだまだ足りてないので、栽培量が増えるにつれて、パルパーの機具とか、ドライベッドが必要になるから、なんとかしないといけないんです。

イ) : ヒロさんが、カッピングの時に、デイビッドさんの豆の事をほめてましたね!コーヒーの栽培や収穫後の加工の事ってどこで学びましたか?

デ) : CGNのサポートで学んだ事がたくさんありますね。 乾燥の重要性もそうですが、あと豆の選別もCGNスタッフのサポートで知った事はたくさんです。

イ) : アグロフォレストリーについてもCGNから習ったんですか?どう思ってますか?

デ) : そうですね、CGNでアグロフォレストーを進められて、今はとても大切だと思っています。なのでサヨテをやめたのもその一つです。コーヒーとかレモンとか木をできるだけ植えるようにして山崩れが起きないように配慮するようになりました。いろいろな作物を植えて少しづつ収入の足しにするようにしています。畑を耕して、野菜を育てる量が減ったけど、これからコーヒーとかレモンとかの収入でバランスを取ろうと思っています。

イ) : なるほど。CGNとの取組がすごいいいですね。 ところで、ご家族は?

デ) : 奥さんと子供が二人(息子と娘)います。子供は大学生です。奥さんは香港で働いています。

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イ) : (なるほど・・・それでそのシャツ・・・) へー大学生の子供がいらっしゃるんですね?デイビッドさん自身は大学は?

デ) : あー、私は高校中退です。お金なかったので働かないといけなくなって・・・・。 それいらい、道路工事とか農業とかいろいろやってるんですよー

イ) : そうですか。じゃぁ、子供たちは大学卒業してほしいですよね。

デ) : はい、もうそれが今の私の夢みたいなものです。

イ) : 夢ですか。子供たちはなんとかしてあげたいという気持ちが本当にわかります。 普段、なにか楽しみにしていることとかないですか?

デ) : あまりないんだけど・・・。 こうやってみんなで集まったり、一人の時は聖書をよんだり・・・。あとアーノルドの家のテレビでスポーツチャンネルを見ることぐらいかな・・・

イ) : 最後に日本のSISAM COFFEE ファンに一言

デ) : ありがとうございます。これからもコーヒーを買ってください。さらに努力したらもっとよい品質のものを収穫できるはずです。生産量も増やせるはずです。頑張ります。

イ) : ありがとうございました!

インタビュー終了。

デイビッドさんの子を思う優しさ、コーヒーのことを語るときに少しだけかいま出る熱い口調、そして哀愁。 ドラマ『北の国から』 の黒板五郎を思いだすのであった。  (ルールルルルー)

次回、『村への訪問編 ②』  気長にお待ちください!

シサムコウボウ ・ イケザワ

過去の記事
フィリピン出張記: SISAM COFFEEのルーツをたどる part : I

フィリピン出張記: SISAM COFFEEのルーツをたどる旅:『村への訪問編』①