こんにちは、シサムコウボウのイケザワです。

フィリピン出張記、 SISAM COFFEEのルーツをたどる旅

今日は、COFFEEの栽培が行われている村の訪問した様子をご紹介します。

初日に訪問した村は、 キブガン町、サグパッド村。

CGNスタッフ、レナートさんを含む数名 と 珈琲焙煎技師の 山本ヒロさんと一緒に向かいます。

バギオからこの村へはジプニーで4時間ほどかかります。

日本のように高速道路を快適に3時間という移動ならいいのですが、 なんせ山道であり、そしてガタガタ道が多いです。

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山、山、山 の絶景が続きます

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道、なき、道 の絶叫が続きます。

そして固いジプニーのシートは、私のおしりと腰に少しずつ、確実にダメージを与えてきます(笑)

そして、そんな山道を越えたどりついたのが、、、、、

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サグパット村の集会所

サグパット村! 村の集会所につきました!

そこでは、コーヒーの栽培をしている農家さん数名が集まって、コーヒー豆の選定を行っている風景が!!!!

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おぉー!さっそくやってますねー。

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この日もCGNの買い付けが予定されていたこともあり、最後の追い込みとばかりに選別をしてくれていました。

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農家のみなさんとコミュニケーションをとるレナートさん(緑シャツ)

到着すると、みなさんがスタッフのレナートさんやヒロさんをウェルカム!

CGNスタッフ や ヒロさん と サグパット村の農家さんとの関係性が良いのが伝わってきます。

サグパット村では、約100名ほどの農家さんがいらっしゃいます。

この日は、約20名ほどの農家さんが、この後のワークショップに参加するために集まってくれました。

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珈琲焙煎技師の 山本ヒロさんも農家さん一人一人と対話して、農家さんが抱える問題や課題を聞きだします。

と、ここでいきなりワークショップではなく・・・

腹が減っては戦は出来ぬとばかりに、料理でおもてなしをうけます。

この日は、豚肉とジャガイモを炒めた料理をランチでいただきました。

食後はもちろんコーヒーで!

現地では、もともとコーヒーを自分たちで飲んで消費する習慣があるんです!

淹れ方は、、、 なんと、 煮出し  です。

焙煎されたコーヒー豆を粉にして、、、

水とともに、やかんで煮出す。。。

うまいのか・・・・? と一瞬躊躇するかもしれませんが・・・・

これはこれで悪くはないですよ!世界ではいろいろな飲み方されてるんだなーと感心します。

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さて、この日の訪問の目的は、大きく3つ!

① カッピング ・・・ 以前買い付けた豆を農家さん毎に焙煎して、味比べをします。

②フィードバック ・・・ 農家さん毎の豆の評価を伝えていきます。
それと同時に、各農家さんでの問題点や課題をヒアリング⇒アドバイスまで行います。

③豆の買い付け ・・・ 収穫期も終わりです。最後の残量の買い付け

ということで、、、

①カッピング >>> スタート!

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テーブルには、約10農家さん分のコーヒー豆(焙煎済)が並べられいます。

ほとんどの農家さんにとって、カッピングの経験は初めての事。

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それをみんな列にならんで・・・  まずは器に入れた豆の香りを確かめます・・・ この時点ではどれが自分の豆かは知りません。

『どれが自分のだろ~』 と気になりながらも、初めて経験する・・・・

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次に、器にお湯を足しまた香りを確認 → そして、お湯を注いだものをスプーンですくってテイスティング

このテイスティングの際には、より繊細な香味を確かめるためにも、口の中にスプレーを吹き付けるように勢い良くすすります。

はい、、、鋭く、   『ジュルッッッ』  って音がなります。

日本人は、そばを食べる文化からあまり気にならないでしょうが、なれない現地の人は間違いなくこうなります・・・・

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バカうけ!


このあと、各自のコーヒー豆を確認しながら、ヒロさんからの味の評価を聞き改めて自分のコーヒーと他の人のコーヒーとの味の違いを再度確認します。

私個人の感想としても、みなさんそれぞれ、いい味だと思いました。

さて、そんなこんなでう、れしはずかしカッピング大会は終了。

そして次は、

②豆の評価フィードバック

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このフィードバックでは、予めヒロさんが評価していた生豆のクオリティーについて解説と改善点を各農家さんにつたえます。

生豆の評価項目は大きく2点

①乾燥具合 ・・・ 生豆は湿度計で測って10-12%の数値が理想的と言われています。
『よく乾燥されてましたねー! どういう方法で、どれぐらい乾燥させましたか?』と聞いて他の農家さんにシェアしたり、『もうちょっと乾燥が必要ですねー』 今どんな乾燥方法で、どれぐらい乾燥させてますか?と聞きながら、農家さんが抱えている問題を掘り出したり、気づきを与えたりします。

②欠点豆の数 ・・・ 約70g中に どれだけの欠点豆混じっていたか?欠点豆の種類毎に数値化されています。
農家さんとしては、選別の際にどこを気を付けた方がいいか?と今後の参考にしてもらいます。

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各農家さんの問題をヒアリングしたあとは、今後どう村全体でコーヒー栽培にとりくんでいくのか?

どういまあがっている問題を解決していくのか?といった議論にまでなります。

今サグパットでの問題は、コーヒーを収穫した後の加工に必要な器具や設備のようです。

例えば、 この パルパー ・・・

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パルパー。サグパッド村には1台しかない。

収穫したコーヒーチェリーから果肉の部分を取り除く器具です。

この村にはまだ1台しかないもの。

しかもこれは去年CGNから贈られたものです。

現状は、各農家にパルパーを持っていったり、

またその逆で、農家さんがコーヒーチェリーを持ってきて精製したりと

最盛期には引っ張りダコの代物です。

このパルパーでやらない場合は、 臼と杵 で、果肉除去しますが、とんでもない労力です。

そして、 ドライベッド・・・

こちらも聞く限りでは、この村に1台。

村のリーダーであるアーノルドさんの家にある一台のみです。

豆の加工において、乾燥はとても大切な作業になります。

現状は、ざるの上や地面の上にシートを敷いて、乾燥をしている農家さんが多いようですが、ドライベッドだと、豆を敷く場所がネット上になっているため、上からも下からも風が通り、乾燥しやすく、また屋根もついているため、雨や夜露にも強いというメリットがあります。シートを敷いての乾燥だと、毎日、朝晩に豆を出したり、しまったりという作業も出てきて、農家さんにとってはとっても労力のいる作業になります。

もし乾燥がしっかりされなければ、豆にカビが生えたり、白くなってしまい、不良豆となって売れなくなったりする上、他の豆をだめにしてしまう可能性もあります。

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村で唯一のドライベッド。村のリーダー、アーノルドさんのDIY。
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ドライベッドの上で乾燥中のコーヒー豆(パーチメントの状態)

解決策の案としては、

①各農家さんでも頑張って、このドライベッドを作る事。

②全農家さんで共有できるドライベッドを作って、持ち回りで乾燥させること

などが考えられます。村全体の事を考えた時には、共有のものを作って、共同作業をした方がいいと思うのですが・・・・

この先は、村の人たちで考え、行動すべき所。

アグロフォレストリーで栽培している以上、農家のほとんどの人たちは、コーヒー以外にも多品目の野菜を栽培しています。

各農家にそれぞれの事情があり、コーヒーの栽培量も一軒一軒異なります。

リーダーのアーノルドさんが、しっかりと取りまとめてくれることを期待したいと思います。

③買い付け

最後には、残りの生豆の買い付け作業になりました。

今回の買い付けは、パーチメントの状態で約180kg ぐらいでした。

ヒロさんが一袋づつ、湿度計で乾燥具合をはかったうえで、問題のないものだけを買い付けます。

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袋詰めされた豆がジプニーに積み込まれたら、本日のミッションは終了!

最後はみんなでパシャリ!!

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さて、とっても長くなってしまいましたので、

このサグパット村の方へのインタビューは、次回ブログで紹介します。

シサムコウボウ ・ イケザワ

過去の記事
フィリピン出張記: SISAM COFFEEのルーツをたどる part : I

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