フェアトレードブログ数珠つなぎ!シサムスタッフ⇔フェアトレード:シサムのスタッフの想い@フェアトレード のブログを数珠つなぎ!

フェアトレードって 一言では言い切れない、それぞれの想いを数珠のように繋いでいく企画です。

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こんにちわ。

シサム工房の 人見とも子です。 シサム工房の副代表をしております。

シサムが 海外から 直接企画輸入している商品のうち、「ファッション」にくくられるアイテムたちの、
立案、デザイン、海外通信、輸入業務を 日常しています。

京都は左京区の 桜の名所 銀月アパートメントの 一階で、 シサムに集う 若く、熱い 仲間と
頭を 日々 フル回転 あれもこれも それもどれもと 日々格闘しています。

私とフェアトレードの 出会いはというと、、遠い昔 
私がまだ うぶで がきで まっすぐだったり 曲がってたり よく分からない 
傷つきやすく 感じやすい 学生だった、14年前でした。

そのとき、大学院の実習制度で、タイの 最北端の田舎町におりました。

大学院に行ったのも、タイのド田舎に その時 いたのも、理由は、2つ。

理由1: アジアが好き。中でも、タイが好き。タイをもっと知りたい。
理由2: タイをもっと知りたいと 思って、ちょっと足を踏み入れたら すぐに 出会ってしまった 「こども買春」の 問題。
   この問題に 身震いした。 この問題を なんとかしたかった。 

そこで、 現地の NGOに 飛び込み、買春宿に 売られる前に NGOの奨学金を手に入れ 教育を続けることができた 女の子達や 志を持った スタッフ達と 一緒に 生活していたわけです。

あまりに お先まっくらな家庭、
大切だったはずの人に暴力を振るわれる女性たち、
人権ずたずたの民族、
弱いものが さらに 弱いものを 食い物にする醜さ。 
人を信用できなくなるほどの 裏切りの連続 
愛情に飢えたあの目。。。
麻薬で うつろになった あの目 目 目。。。 
酒におぼれてあばれ狂う あの 背中。。。
物乞いの合間に 私たちと一緒に遊ぶ その束の間の 「自由時間」を きらっきらの笑顔で過ごす あのかわいい子供たち。
エイズで 実際自分の周りに 死人がうそのようにばたばたと出る事実。 
お金はなくとも幸せな家族があれば十分とは聞くけれど、
「本当にお金がない」ことですさむ心があるという事実。 
壊れる家族があるという事実。
そして そのすさむ心は、世代を渡って 連鎖していく 悲しい現実があるということ。

それまで、知らなかったこと。。。自分が、社会や両親に守られて来たから、経験しなくてすんできた世界。

一人一人の 人生に触れさせてもらうたび、私は 理不尽さに 怒ったり、まず、問題が 複雑すぎて 理解できなかったり。

最後には、自分のできることが 小さすぎることを思い知らされるばかりで、ますます 気持ちが疲れ果て、
途方に暮れて行ってしまいました。

で、ひょんなことから、とある 流れ者に 狙われることになり。

隣町の とあるNGO に 身を隠すことになりました。

(これはこれで、話せば長いな。 話たいですが。。 
かいつまむと、麻薬 女 金 不法入国 エイズ 児童労働と 社会問題の叩き売りのような町で その どれかにでも 反旗をひるがえせば 必ず なにかしら 危険や 軋轢は 伴うということなのでしょう。)

場所を移すということは、運命も 少し動かすようです。

そこで、フェアトレードに 出会ってしまったのです。

そのころ、フェアトレードという言葉は まだなく、 草の根貿易 とか、呼んでいた気がします。

フェアトレードの貿易を、少数民族の刺繍グループとやっているという日本のNGOの 定期調査に 同行させてもらった私。

ガタガタと トラックの荷台に 揺られ揺られ、ついに着いたその地で見た、あの村の光景を 私は 一生忘れないでしょう。

「村が明るい!! なぜなら、女たちが 笑っている!! 輝いている!! 前を向いている!! なんと、将来を語っているーーー!!!!」 衝撃!!!

その夜の 「村の女性グループミーティング」なるもので、大きな声で 発言し合う 村のおばちゃんたち、娘たちの言ったことは、私の目から、うろこを何枚も何枚もはがしてくれました。

なにせ、全て、次に向けての考え、将来に向けての計画、よくするためのアイデアに あふれていたからです。

「この小さい刺繍は、初心者向きね。まだ学校に通っている娘たちがやっているよ。一枚5バーツもらえるから、えんぴつやらノートを買うって張り切って取組んでいますよ。」

「この刺繍の色は、こうした方がよくなるんじゃないの。」

「売上から ためた 村女性基金 で、今度村の ○○設備を買ってはどうかな。」

ま、前向きやーーーーんん!!!
す、すごすぎる。 今、聞いても、衝撃だと思うけど、当時の私にとっては、右ジャブ左ジャブ右フック・・左ストレーーート! どっかーん。です。

それまでの私が 訪ねた村での様子は、「だんなに昨日も殴られてよぉ。ちょっと 私が口を出すとね。いつもさ。どうしていいのか、、、。」どよーん。。

「娘はもうすぐ4年生になるけど、学校は続けさせるつもりはないんだ。無理なんだよ。」どよーん。。

「借金が増える一方で、首が回らないよ。とりたてが、、こわい。。」どよーん。。

「バンコクに行かせた娘がエイズになって帰ってきた。村のみんなに恥ずかしいし、もうおしまいだ。。」どよーん。。
 
途方に暮れた心に、私まで一緒になって途方に暮れていて。。。 心は、ブルーどころか、限りなく真っ黒だった私でしたから。

だから、この、タイの田舎で、竹でできた小さな小屋で、裸電球のだいだい色の光に輝く 笑顔の女性の集団に囲まれちゃったら、ひとたまりもありません。

一目惚れです。

そっからは、もう、一直線です。

なんもできない学生です。なんて言うのはもう、止めました。

学生だからできることを、そっから考えました。

学生だから今一番できることは、、、しっかりした修士論文をを書くこと!! 

当時、十分な文献もなく、ネットで検索しても、まだまだ資料は限られていました。

だからこそ、自由な時間をフルに使って、フェアトレードに少しでも関係する人、NGOを 訪ねまくり、尋ねまくり。

嗅覚、触覚、視覚、聴覚、知力、学力、語学力、人間力、なにせ、その時自分が持っていた限られた資源、能力をフル動員して

一文字一文字に全身全霊をかけて 論文を書いたのが、今の なにか 根っこになっているように 思います。

 

そして今、京都 左京区 銀月アパート 一階 で、毎日働いています。

そして今、シサムのつながる 海外のフェアトレードNGOは、ネパール インド タイ インドネシア フィリピンに点在します。

海外に、彼らを訪ねる時、そこには、いつもなにがあるか 分かりますか?

そこには、、、、、私にいつも マグナム級の元気をくれる「前向き力」があります。

私は、彼らと、前向きな話しかしたことがないように思います。

いつもいつも、彼らは、今よりもっとよくなること。今よりもっと向上すること。を目指しています。

子ども2人に 恵まれ、仕事と 家事と 母親業との 超重労働に おしつぶされそうな 気持ちになることもあります。

バランスがとれなくて、やさぐれることも、けっこうあります。

が、やっぱり、フェアトレードのおかげで、自分に根っこがあるから、倒れないのかも。

日本でも海外でも フェアトレードでつながる仲間が、分けてくれるあったかい心のおかげで、なんど 立ち止まった私の足が

また、一歩前に出たかわかりません。 

だから、フェアトレードちゃん、これまでも有難う。 これからも、よろしく。なのです。

みなさんにとっての、フェアトレードは、どんな相手ですか?

シサム工房 人見 とも子