シサムのスタッフの想い@フェアトレード のブログを数珠つなぎ!

フェアトレードって 一言では言い切れない、それぞれの想いを数珠のように繋いでいく企画です。
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こんにちわ。26番手の商品部のヨシダです。4月24日から続いてきたスタッフのブログリレーもアンカーまであと4名とゴールが近づいてきました。

突然ですが、みなさんは

- 自分の年齢を言えますか?
- 誕生日を知っていますか?

たぶん、このブログを読んでいる方はほぼ全員がYESと答えられたでしょう。
でも、世界中で見るとNOと答える人も。。。

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私がバングラデシュに2年間住んでいたときのこと。10家族ほどが住むマンションで暮らしていました。

朝、屋上で洗濯物を干していると小さな女の子がたくさんの洗濯物を抱えて上ってきます。女の子がおしめを干すのを手伝ったり、私がシーツを干すのを手伝ってくれたり。ちょっとずつ仲良くなって、会話を交わすようになりました。

私    「名前は?」
女の子 「コビタ」
私    「何歳?」
女の子 「知らない」
私    「・・・・・。誕生日は?」
女の子 「知らない」
私    「・・・・・」

どう見ても小学校低学年にしか見えない女の子。
お手伝いとして住み込みで働いている女の子でした。他の家で働いているお手伝いの女の子たちに年齢を聞いても知らないことがほとんど。

雇い主の家の子どもたちが誕生日パーティーでみんなから祝ってもらっている横で、自分の誕生日も知らずに、招待客の食事をせっせと用意する彼女たち。

コビタの一日は朝6時に始まります。朝食の用意をして、あかちゃんの世話をして、洗濯物をして、お昼ご飯の用意をして、家の掃除をして、洗濯物を取り込んで、夜ご飯の用意をして、後片付けをして夜の11時にやっと休むことができます。もちろん、遊ぶ暇はありません。仕事をさぼっているのが見つかったら、怒られます。学校に行く時間さえありません。
親元で甘えていたいし、思いっきり遊びたい年頃。勉強もしたいだろうけど。。。

バングラデシュの多くの家庭では炊飯器も洗濯機も電子レンジも掃除機も、家電などほとんどないし、家事を任される女性は大変。
お手伝いさんがいること自体を否定するつもりはないのですが、

でも、、、
本当なら学校に行くべき年頃だろうけど、働きに出なければならないという事実。親が子どもに食べさせることができないために、働きに出される状況。

2年間何もしてこなかったわけではないのですが、彼女たちのために何ができたのか。これから何ができるのか。帰国してからも自問自答する日々がありました。

光はバングラデシュで出会ったフェアトレード。バングラデシュにはNGOがたくさんあり、活動も盛んです。その中でもフェアトレード団体のことが気になっていました。

フェアトレードの見学のために日本から知り合いが来たときに、案内をする機会がありました。フェアトレードのことは知ってはいましたが、実際に作っている現場をじっくり見たことはほとんどありませんでした。作り手たちとの会話では「村を出て行かなくてよくなった」「現金収入ができて、子どもを学校に行かせることができるようになった」などの声が聞かれ、ただ援助してもらうのではなく、自分たちの手で生活を維持できるようになることで自信のついた人々の表情が印象的でした。
また、町の中でいいなと思って店に入るとそれがフェアトレードショップということも多くありました。フェアトレードのものだから買わなくてはというのではなく、欲しいと思うものがフェアトレードのもの。そんな中でどんどん身近になっていきました。

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ある日の夕方、洗濯物をとりに屋上にあがったとき、扉をあけると片隅でうずくまっているコビタがいました。振り返って、雇い主でないとわかるとまた隅を向いて泣いていた彼女。

コビタはそれからしばらくして、迎えに来たお父さんと村に帰っていきました。

決して豊かでなくても家族と一緒に暮らせていけたら。。。

そんな状況がより多く生まれるように。そう思いながら今日も海外の団体とのやりとりをしています。

商品部 ヨシダ