こんにちは。 京都・裏寺通り店 店長 ナカノ です。
シサムコウボウでは、5月を「フェアトレード月間」として、
私たちが考えるフェアトレードを積極的に発信中!!
改めて「フェアトレード(公正な貿易)」について考える月間です。
今月限定のイベント、是非参加してくださいね!!
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さて、本日のフェアトレードブログリレー 第2回目は、
まず最初の国は・・・・
Namaste~!
そうっ、インドです!
さぁ、商品部スガノ・トヨシマ・マツダのインド出張を共に辿ってみましょう!
<インド基本情報>
面積:日本の約8.8倍 人口:約12.2億人
宗教:ヒンズー教徒約83%、他イスラム教やキリスト教など
言語:18の主要言語、844の方言 (民族やそれに伴う衣食住文化も、全く異なる人たちがいます。)
経済:著しい成長と共に世界各国から注目が集まる一方、国の人口のうち1日1.25ドル(約65ルピー)以下で
暮らす人の割合を示す貧困率のインドの値は2010年の時点で33%とされています。
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Royal Heritage生産者さんに会いに
伝統的なチカン刺繍で有名な職人の街、ラクノーへ
インドの首都、デリーからラクノーまでは寝台列車で約7時間半。
こちらの写真の背景に映っているカラフルな列車に揺られていきます。
ラクノーでチカン刺繍をしているのは、ムスリムの村。
チカン刺繍の模様の元となっている、ムスリムの歴史的な建築があちこちで見られます。
商品部メンバーのiPhone画面に 突如 「高温注意!」の表示が現れるほど、
アツアツの熱ーい地域。その気温40度!!
― Kalatmak自助グループの女性たち
Kalatmakは、田舎に住む女性の職人たちによる自助グループと共に、生産を行っています。
この自助グループは、地方の貧しい女性たちで構成されるマイクロ事業で、
村の女性たちは日々、子どもの世話をしながら、自宅で刺繍を行っています。
母と娘、嫁と姑など、家族の女性たちが一緒になって刺繍を行うので、
村の女性たちは自然に技術が身についていきます。
― 商品の生産統括をしているカリッドさんの言葉
「 刺繍をしているこの女性たちは、教育も受けたことがなかったり、
外の世界との接点をあまり持ったことがない女性たち。
だからこそ、こうやって日本の人たちと仕事をすることで、自分がuseful(役に立っている)、
accepted(受け入れられている)と感じ、モチベーションが高まっているんだ。
日本とドイツは、商品の品質に対して、ずば抜けて厳しい国。
だからみんな日本やドイツからの仕事を避ける傾向にあった。
でも、日本のパートナーは、間違いをすると細かく指摘をしてきてくれる。
日本以外は、商品に対して売り物としてOKかそうでないかのみを伝えてきて、
その理由については何も議論せず、それ以降のオーダーが来ないというところも多い。
細かく議論してくれるからこそ、教訓になり、練習になる。
日本の製品を作ることで、それが私たちの信頼に繋がり、次の仕事に繋がるんだ。 」
Royal Heritageの服と共にぶら下がっているのはKalatmak外交・営業担当のラりさん
村の女性たちはKalatmakでの仕事を通じて、
インド中央政府が発行する「ARTISANカー ド」を手にすることができる。
これは特定の技能を持つ手工芸生産者を認定するもので、衣料保険、生命保険、子どもの学費免除、
低金利での公的ローンへのアクセスなどの特典が受けられるようになっています。
― 職人たちの街
また、Royal Heritageの服を作っているのは、刺繍をする女性たちだけではありません。
旧市街地の賑わいの通りを一本入った裏の道。
小さな路地や急な階段などが入り組んだこの場所で、
Kalatmakからチカン刺繍衣料品の仕事を請け負っている熟練の職人さんたちが、
それぞれの技を活かし、製品生産を行っています。
チカン刺繍は、ずっと昔からもこの分業体制で成り立っている産業。
工場生産ではないので、一つの製品をつくるのにたくさんの人の手が携わっています。
村の人もこの刺繍が施された服を着ているし、売り物にもしています。
写真左: 洗濯職人さんが干した、刺繍のお洋服たち
写真右: 木のハンコで、下絵をつけているところ
中央:ハンコを彫っていることろ
写真: ミシンがけをしているところ
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続いて一行は飛行機で大都市ムンバイへ!
Creative Handicraft生産者に会いに
スラムの真ん中から革命が 起こるムンバイ
ブロックプリント生地などの鮮やかな服を届けてくれるNGOを訪ねます。
ムンバイの空港を降り立って、まず驚くことは、空港がきれいで都会的な人がたくさん!
伝統的なサリーを着ている女性の他にジーンズを履いている女性も多くみられます。
一方で、空港から離れて市街地の方に出ると、人で溢れかえり、
ストリートチルドレンや物乞いをする人もたくさん 見ます。
人口の80%がスラムに住むというムンバイ。
そのスラムの真ん中で大きな革命を起こしてきたのが、Creative Handicraftです。
― ソーシャル・ベンチャーさながらの組織!
Creative Handicraftは、女性の生活と貧困の問題解決に焦点を置き、
女性に洋裁の訓練や仕事を行っているだけでなく、
スラムの人々の福祉や保健、教育にも意欲的に活動しています。
縫製は組織立って行われており、その信頼性からインド国内だけでなく、世界中から注文がきます。
製品を作っている縫製のチームは10のセンターに分けられ、
それぞれのセンターが20人程のグループとして機能しています。
10のうち2つのセンターが本部にあり、他8つのセンターはスラムに点在しています。
それぞれのグループでしっかりした女性がセンター長が任命されています。
そのセンター長も、かつては別の州から来て、言葉もできず、文字の読み書きもできず、
縫製もできずに、貧しく暮らしていただけであったけれど、
創設者のイザベラさんに助けられ、光を与えてもらったと話す人もいます。
仕事の分担がきっちりとされ、一人一人が責任を持ち、
ハキハキと意見を言える環境がある様子は、「貧しい人たちを助けるための組織」というよりは、
今熱い社会的企業といった様子。
― Creative Handicraftトップのジョニーさんの言葉
「 この組織は、ただ仕事ができるだけの場所ではなく、
メンタルな部分も養える場所として育てていきたい。
ここで働く人は、個人的な背景として、問題を抱えている人が多い。
それは旦那さんの仕事がないことだったり、子供の数が多すぎて生活が苦しかったり、生活の様々なこと。
そのプライベートな問題を、まずは一つ一つ解決してあげないことには、
女性たちが安心して仕事に集中することは難しい。
その解決のプロセスが組み込まれていることが、この組織を良くしているんだ。 」
ジョニーさんの言葉をよく表しているのが、女性たちへの食事提供。
本部ではお昼にワーカーのためのごはんがつくられ、
希望者は毎月本当に少額でそのごはんが食べられます。
本部から離れた8つのセンターにも、お弁当にして配達されます。
そのごはんを作っているのも、お弁当を配達しているのも、
訓練の際に縫製はちょっと苦手とされた女性たち。
インドの様々地域からみんなムンバイのスラムにやって来るため、宗教や習慣もばらばら。
どんな人でも食べられるようにごはんのメニューは野菜中心です。
毎日規則正しく、健康的でおいしいごはんが食べられるようにという、
Creative Handicraftの気配りです。
スラムの女性のための住みやすいコミュニティづくり
スラムの各地域には、組織から正規で雇われているソーシャル・ワーカーが頻繁に訪問。
女性たちの相談窓口となって、悩みなどを受け入れています。
シサムの商品部メンバーが、一人のソーシャル・ワーカーに案内してもらっている間にも、
女性が一人話しかけてきました。
どうやらその女性の旦那さんが病気とのこと。
ソーシャル・ワーカーの女性は案内の足を止め、
すぐに病院の手配やそこまで連れて行く手筈を、全て整えてあげていました。
スラムの女性たちは、子供の教育費についても融資や奨学金などの援助をもらえます。
村には保育所もあり、子どもたちがセンターで軽食を食べ、そこから塾に通うといった姿も!
「スラム」がどんどん住み心地の良いコミュニティとして、
変化していっている姿を感じた、シサム工房 商品部のスタッフ達でした!
左から: 商品部マツダ 、副代表ヒトミ、Creative Handicraftのスタッフ、商品部スガノ、商品部トヨシマ
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シサム商品部3人の視点
上記で伝えきれなかった、シサム工房の商品部3人の想いです。
トヨシマ: 私がRoyal Heritageの服を着ていると、「それ私が作っているの!」と、
刺繍担当の女性が目を輝かせて寄ってきました。
誇りを持って作っているんだなぁと思いました。
そして刺繍をしている時もめっちゃ楽しそう。
屋根の下で風に吹かれながら、子どもたちが周りで遊んでいる中で刺繍をしている。
生活に寄り添った産業なんだと感じました。
スガノ: 私が3年前にKalatmakを訪れた時は、ラクノーから遠い 村で刺繍を行っていました。
今でもその村はKalatmakからの仕事を請け負っていますが、
今ではラクノーから近い村にまで活動が広が り、
シサム商品はこちらの村にお願いをすることで、生産コントロールがしやすくなりました。
活動範囲が徐々に広がっているようです。
マツダ: 生産者さんたちと直接話してみて良かった反面、色んな大きな壁 も感じ、
本当に大きなチャレンジをしているんだと実感。
これからは、もっと問題をシェアして一緒に取り組んでいこうと思 いました。
スガノ: 今回は生産現場にがっつりと入り込み、商品生産の改良点を見つ け出す旅でした。
特にCreative Handicraftのように仕事に誇りを持っている人たちとの仕事は、
議論もすすみ、いろんなアイデアが生まれました。
トヨシマ: (Creative Handicraftについて)女性がいかに生きていくかということに、
ここまでポイントを当てているところ、他にはないんじゃないでしょうか?
さらにプロ意識をもってものづくりをしているところは本当に尊敬します。
ここで働きたい!!
マツダ: Creative Handicraftにサンプル製作を依頼したパターンが、とても複雑な形で、
みんな手をつけるのを躊躇していた中、
自ら手を挙げて試行錯誤をしながら作ってくれた方がいました。
「ありがとう」というと「いや、次はもっと綺麗に作るよ」と。
その瞬間、
「あ、ここもシサム工房の商品部の一部だ。一緒に真剣に仕事している。」
と強く感じました。
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シサム工房のFAIR TRADE生産者パートナーと商品たち in INDIA
今回ご紹介したフェアトレードパートナーが手掛けるアイテムたち!!
是非 写真をクリック して、ご覧下さいね!!
「Creative Handicrafts/クリテイティブハンディクラフト」
「カラティマク手工芸自助財団/Kalatmak」
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<番外編>
街角スナップ!インドのステキなファッション&インテリア
次回は 『フェアトレード生産者を巡る旅~インドネシア編』 と題して、
ブログリレーをお届けします!
お楽しみに~♪♪
<関連記事>
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☆ シサムの3ヶ月 フェアトレードブログリレー !! ③ インド出張の旅
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☆ シサムの3ヶ月 フェアトレードブログリレー !! ⑦ タイ出張の旅
京都裏寺通り店 店長 ナカノ
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