こんにちは。シサム工房の水野泰平です。
先日、インド出張から帰ってきました!なかなかに中身の詰まった充実した出張でした。
今回のメインの一つは、毎年、秋冬にデカン高原ウールバックをシサムに届けてくれている、
フェアトレードパートナーでもある「シュラミック」の活動地、カルナータカ州北部の訪問でした。

いました、いました。デカン高原の羊たち。

ぼろっちぃー(ごめん!)シュラミックの車で、でこぼこ道をがったんごっとん揺られていると、
あまり大きな木がない高原に、羊飼いの少年を先頭に、でんでんでんでんでんとたくさんの羊たちが見えてきました。

写真を撮らせてもらおうと降りて、見渡すと、遠くのほうには、羊飼いの人たちが放牧の際に寝泊りする仮のテントや、
用心棒のように露骨に警戒する4~5頭の犬たち。いやーその犬たちが怖かった。。。
シュラミックの人たちもそれ以上は近づくな!と。

それでも羊飼いの人たちが近くまで来てくれて、シェパード(羊飼い)バックのオリジナルを見せてもらうことが出来ました。

真四角の立方体の形をしたシェパードバック、オリジナルにはスチール製の皿と木の実と隠しポケットの奥に
少しのコインが入ってました。(今季のデカン高原バックシリーズにシェパードバック登場するかも!)

「シュラミック」は、カルナータカ州北部に点在する村に創られた女性たちの自助グループを支援しているNGO。
代々、牧畜を生業としている人たちの「伝統的な暮らし」が現代の中で取り残され
貧窮化していることを背景に、さまざまなNGO活動の一環として、牧畜の民が伝統的に持っていた羊毛を使った手工芸品のフェアトレードに取り組んでいます。

今回、訪問してみてびっくり。ほんとに羊には、さまざまな自然の色があるんです
そして、集めた羊の毛を床にばらまいたあと似た色別に手で振り分けることから羊毛の手工芸は始まるんです!
その羊毛は脚の外腿や糸車を使って糸状に紡がれて、さらに必要に応じて複数の糸を撚ってより太い糸にしていく!
一つのバックが作られるのに、伝統的な暮らしに寄り添いながら、たくさんの人たちが関わり、まさに「手」と古から引き継いできた「技」が発揮されていることに感激して帰ってきました。

さらに、地元に根付いて生産者たちを支援しているシュラミックの考え方にも共感
生産者たちはワーカーではなく、一人一人が自立した職人(アーティザン)。
何を決めるのも生産者たち自身なんだ」と熱くこだわるのです。
点在して活動している自助グループを訪問するたびに、生産者みんなに集まってもらい、
シサムのことをしっかりと説明し、日本で求められている商品の質であったり、最近の状況について話し合ったりするのもそのあらわれ。
到着初日には、事前に何の前触れもなく、たくさんの生産者たちの前に座らされ、自己紹介や商品、日本についてなど、何でも良いから話してくれ、なんてこともありました。。。

インドの農村の暮らしにどっぷり使った数日間。
知りたい、見たいことがたくさんで忙しい日々でしたが、信頼できるフェアトレードパートナーを通して、生産者たちの暮らしを継続的に支えていく。そのモチベーションをさらに高めて帰ってきました。
シサムでは、ウールバックシリーズに加えて、草木染を施したコットンやジュートなどの天然素材を用いたバックも来年に向けて計画中。
今回訪問した生産者たちとの関係をさらに深めていきたいと思っています!

水野 泰平