去る6月のインド出張では、改めてFAIR TRADE について考える機会を頂きました。

出張中は訪問先で複数の生産者にインタビューをさせてもらったのですが・・・

シサムのフェアトレードパートナーShramikの生産者にインタビューしたその帰り道、代表のゴピさんが私に聞きました。『Do They Look Happy?』(彼女達は幸せそうに見えたかい?)

この問いかけが、FAIR TRADE について改めて考えるきっかけとなったのです。

インタビューは、和気藹々と話をしながら作業が進められている女性ばかりの工房内で行いました。

年齢や、経歴、今抱えている問題やこれからのこと・・・・基本、同じ質問を一人づつ複数の生産者に投げかけてみたのですが、その人が生きてきた道、感じている事、考え方・・・当然ですが、誰ひとりとして同じ答えが返ってきません。一見明るい生産者達も、インタビューでプライベートな事を聞くと、意外と重い過去や、現在もなんらかの問題を抱えている人たちが多いのです。

例えば、まだ子供が幼いにも関わらず、HIVで旦那さんが他界してしまった人。障害を持った子供を持つ母親。自ら聴覚障害をもつ女性。。。抱える問題というのは様々でした。以前に働いていた小作農や臨時の建設労働などでは、とても家族は養えなかったけど、ここで仕事をするようになって楽になった。と話してくれた人もいました。以前は出稼ぎに出て、一ヶ月に一度しか子供に会えなかったのが、今ではこの村で家族共に毎日を暮らすことができるようになった。と話してくれた人もいました。

もちろんFAIR TRADEだからといって大金を手にできるわけではありません。さまざまな問題を抱えて困っている人たち誰も彼もが生産者になれて、FAIR TRADEの恩恵にあずかれるわけでもありません。それでも、Shramikで行ったインタビューの中で、自分の子どもの将来について生き生きと語ってくれた女性の様子を思い出していると、さまざまな問題を抱えながらも、たくましく生きている人たちの暮らしに寄り添って、支えているShramikの役割、そしてFAIR TRADEの役割についてあらためてすごいと思いました。

インタビュー中、生産者全員に共通している事がありました。

みんな笑顔でインタビューに答えてくれるのです。照れもあるとは思いますが、今の仕事、そして今の自分に誇りを持っているからこその笑顔なのかなと感じました。

Do they look happy?

はい、彼女達はとても幸せそうでした。FAIR TRADE があってよかった。そして、私自身、FAIR TRADE の仕事に関われてよかったと心から思える瞬間でした。

卸営業:池澤