卸営業の池澤と代表水野が行く、インドフェアトレードパートナーを訪問する旅。今日は番外編です。インドで出合った、個人的に面白かった人達を紹介します。

やっとこさ着いたSandur。正直言って、とてつもない田舎というか山奥にあります。昨日の真っ暗の中、デッコボコの道が全てを語ってくれます。しかしその分、自然と動物達には非常に恵まれています。しかしだからと言って、人がいないわけではありません。ここインド、どこに行っても人はいます。そしていろんな人がいます。日本人にもいろんな人がいるのと同じで、インド人でもいろんな人がいるのですが、私がたった2週間のインド滞在で見つけた、典型的なインドのおじさんをここで紹介します。

ゲストハウスの執事のおじさん
ゲストハウスの執事のおじさん

彼です。
このおじさんはSandurのゲストハウスに常駐している執事のおじさんです。名前を聞くのを忘れてしまいました。
なんでこの人が典型的だと思ったか・・・。それは、Sandurのゲストハウスに到着したその夜から始まります。私達が到着するや否や、『Sir、晩御飯はどうされますか?チキン、カレー、サモサ、オムレツ・・・なんでもありますよ!!』と、やけに売り込んでくる。先に言っておきますが、私達は、食事代を払う必要はありません。ありがたい事にSandurが施設としてもっているゲストハウスです。つまりは、売り込みといっても、儲けを意識して売り込んでいるのではなく、お客様にホントに満足のいく滞在、食事、サービスを提供する事、それが彼の使命なんです。

私は、あまり調子が良くなかったので、『ぼくはオムレツだけでいいです。』と言いました。

水野は更に胃の調子が悪く、『どれもきついなー』といいながら、『フルーツとかないですか?』と聞く。

おじさん『もちろんあります。マンゴーとバナナがあります』と。

水野 『ナイス!!それもらいます!!あとチャイも』と。

おじさん 『チャイですね。ノープロブレム。その他には?』

水野 『それだけでいいです。』 といった瞬間、おじさんのスイッチが入ってしまいました。

おじさん 『ホントに?え、ホントに?チキンもカレーもサモサもオムレツもあるんですよ。本当においしいです。とてもおいしいので、食べてください』
と・・・とても必至に説得が始まります。なんでこんなに必至なんやろーと思いつつ、それでも食べれないのはしょうがない。
申し訳ないが、 『ごめんなさい。ありがとう』  というと、なんとなく納得した感じで  『OK、それでは少し待っていて下さい』  といってキッチンに。

ここでおさらいしておくと、池澤・・・オムレツだけ。水野・・・フルーツ(マンゴーにかなり期待、あとバナナ)/チャイ

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結局最初のおすすめしたもの全てが出てきた

食事が始まりました。私ののお皿にはドーンと大き目のオムレツが並びました。それでも、少し塩が効いていて、疲れている私にはちょうどいい味。
水野には、まずバナナが出て来ました。『あぁ~、ちょうどいいね~』と水野。すると、おじさんなにやら色んな鍋を机に並べだしました。
『なんだろなー』と思って見ていると、さっき必至にアピールしてた、チキン、カレー、サモサ、オムレツのおじさんおすすめオールスターです。
そして、もちろんナンやライスも出てきます・・・。『そうか、スシールさんも食べるしね~』と思いながら、私は与えられたオムレツを食べるのにめいいっぱいです

おじさんはスシールさんに、全てをサーブして『これは、おいしですよ』的な事を言っています。

『あぁ、このおじさん、ほんとにこれを使命と感じてるんやろな~』と感心していると・・・すかさず、僕の皿にもチキンがおかれてしまいました。

『えっ!なんで』と思っていると、すかさずカレーも持ってきてサーブしようとします。

『あぁ、いいですから・・・』と控えめに言ったもんだから、遠慮してるだけだと思ったのでしょうか?

『ノープロブレム』   とかいって、カレーも入れていきました。

そして  『とってもおいしですから』   といって、そのまま水野にもサーブしにいきました。

さすがに水野は頑なに断ってましたが。  『ホントに入らないのか?ホントにおいしいよ?ほんとにいらないの?』  と何度も聞いてます。
この時点で、私はとても愉快な気分になりました。
『そんなに食べて欲しいんだ~』  と思ったので、水野の食べてるバナナが気になっていた私は、 『じゃあ、僕もそのバナナ頂けますか?』と聞くと、

おじさん『ノープロブレム』と言って満足気にキッチンに。

ついでにそろそろマンゴーも出てきてくれたらなーと少し期待。
少ししておじさん、トレーを持って戻ってきたので、『よし来た』と思ったら、ヨーグルトでした。
『まあ、これも胃にやさしいし』と思いつつ食べる。更にバナナ、マンゴー、食後のチャイを待つ。

少しの間待っていたら、『終った?』といって、皿を引いていかれました。『あれ?』と思っていると・・・『明日の朝ご飯、なにがいい?』と・・・

おじさんのどこが典型的か?というと、
①インドの人達の口癖・・・『ノープロブレム』  旅を通してノープロブレムだったためしが無かった。
②コチラの要望は突っぱねない・・・が、従わない。
③それに対して、言い訳もしないし、平然となかったかのようにふるまえる。

おもしろいです!!インド人。とくにおじさん!!

結局、僕のバナナ、マンゴー、チャイはその夜出てきませんでした。『どこが「ノープロブレム」やねん!!』と心の中で突っ込みつつ、なかったんだろーなーと納得。そして朝は、おじさんのお勧めのまま、トーストとオムレツが食べたいと伝えていたのですが、マンゴーとバナナとチャイが出てきました。ここでも、『どないやねん』と突っ込みつつ、Sandurでの一日がはじまりました。

池澤