卸営業の池澤と代表水野が行く、インドフェアトレードパートナーを訪問する旅の続編。

id-0906e587bae5bcb5-324

MITANオフィスにて、Archanaさん
id-0906e587bae5bcb5-329
Pravaotiさん

夜のうちにMITANのオフィスがあるベルガウムという街にやってきました。そんなに都会というわけではないですが、なにぶんインドです。少し“街”になると人が一気に多くなります。ついさっきまでのどかな田舎にいたので、それだけで都会に来たような錯覚になります。宿泊はMITANが借りているゲストハウスに泊めて頂く事に。

さて、一夜明けて MITANオフィスに集合。

そこで合ったのが、オフィスのマネージャー、Archanaさんと会計担当のPravaotiさん。二人とも今年になってMITANで働き始めたばかり。
Gopiさんやナジールさんも交えて、昨シーズンの反省や、来期に向けてのプランを話し合います。シサムとしての要望や、MITANとしてできる事。納期の約束、コミュニケーションの取り方なども話合う事が出来て、今後より一層深いお付き合いが出来そうな良い話合いになりました。

id-0906e587bae5bcb5-3861

現在の工房(実際は村の公共施設)

その後お昼にカレーを頂いて、ウールセンターと呼ばれる生産者グループのいる村に連れていってもらうことに。

MITANから車で30分程走った所にそのウールセンターはあります。ここでは、毛糸作りやウール製品の生産を主に行っています。

これがウールセンターの作業が行われている建物。

実は、この建物は村の公民館のような施設で、ウールセンターが朝から夕方まで毎日貸しきりにしています。毎日夕方になると村の若い男達がやって来て、なんと!筋トレ用のジムに早変わりします。ですから、アーティザン達は大量の受注を受けていても残業ができません。

仕事が追いつかない時は、家に持ち帰ってやる事もあるそうです。

そんな彼らには待ち遠しい物があります。

新しい工房(建設中)
新しい工房(建設中)

こちらの新しい建物です。

今はまだ工事中ですが、なんとこのウールセンター独自で貯金とローンを組んで立てた専用の工房です。もうすぐ完成する予定!!ここに、フェアトレードを通したちょっとしたサクセスストーリーが見られます。

彼らは、MITANから依頼される仕事を的確にこなします。そして、得た収入は毎月必ず決めた金額を生産者全員で貯金していったそうです。その貯金は4年間続きました。このグループに参加する全員が自らの給料から貯金したものなので、この建物はだれかの物ではなく、みんなの物ですね。

なんとトイレにはバイオガスを作りだす設備も付ける予定で、そこからエネルギー資源を自給できる仕組みになる予定です。すごい!!

そして、ここでも1人の生産者にインタビューする事が出来ましたので、紹介します。

ラクシュミさん。若いけどしっかりした3人のお母さん
ラクシュミさん。若いけどしっかりした3人のお母さん

ラクシュミ・ジワージー・ナロティーさん (22)

彼女はウールの手織り専門の職人さんです。

この若さ(センターで一番若い)で、既に結婚していて、なんと3人のお子さんがいるそうです。7才・4才・3才でみんな女の子。 7才の子は小学校1年生、4才の子はプレスクール(幼稚園かな?)に行ってます。今の収入源になる仕事はこのウールセンターの仕事だけで、他は家族の畑をたまにお手伝いするぐらいだそうです。

ここで働き初めて約4年。ウールセンターのプロジェクトが立ち上がると同時に働き始めたとの事ですが、それまでは農場で雇われていて 、一日働いて22~25ルピーぐらいの日給(月に30日間フルに働いても750ルピー)、しかも遠くの農場に行かされる事が多く、家に帰る事も出来ず家族に合えない日が続いた事も多かったそうです。今は毎日家族に会えるし、毎月平均で1500ルピーは得られるとの事!!過去には、最高で月に8000ルピー稼いだ事もあるのよ!仕事は毎日が勉強と挑戦!と誇らしく語ってくれました。もちろん、休みもしっかりとっていて、他の街にフェスティバルに出かけたり、実家に帰ったりするのが楽しみ。

今の望みは、子供たちがしっかりと勉強をしてくれること。そして大きくなったら学校の先生になって欲しい。女性はいい先生になれるから・・・と言ってました。そして最後に、シサムにはもっともっと新しいデザイン出して欲しいといって下さいました。

この日もステキなアーティザンの方と出会えて、楽しい時間を過ごさせて頂きました。センターからMITANオフィスへの帰り道、Gopiさんが『どう思った?』と私に質問してきました。私はあまり質問の意図が解らず、『楽しかったよ』と答えると、『彼女達は幸せそうに見えたかい?』と・・・。

答えは『YES』でした。

さて、MITANとShramikでの仕事はこの日が最後でした。翌日は、昨年からフェアトレードパートナーとしてお付き合いを始めた『Sundur』に向けて出発します。車でなんと6時間ドライブの予定・・・でしたが、ここでもいろいろトラブルが・・・。

次回、『ビックリ仰天、また世界遺産ですか?』の巻  お楽しみに。

池澤