声:音読さん

~ シサムの天然繊維へのこだわり ~ 

シサム工房は、「化学繊維でなく、天然繊維を、」という強いこだわりを持って

コットンのオーガニックコットンの取扱いを、大幅に増やしています 

 

みなさんは、化学繊維の服はお持ちですか?

軽くて、伸びが良く、安くて、すぐ乾く

化学繊維は、服の素材として膨大な量が使われています

現在、実に、世界の服の7割です!

 

 

一方、シサムの服は、コットンがメイン

「化学繊維はシサム工房のお店では取り扱わない 」

と決めて、創業から23年間やってきました

 

 

化学繊維が 石油からできていて サステナブルでないこと

土に 還らないこと

洗濯のたびに出る マイクロプラスチックのこと、、などなど

勉強を進めれば進めるほど、化学繊維でなく、天然繊維を広めることの、意義と 誇りを強く感じていました

付いてきてくださったお客様のおかげで 事業も少しずつ大きくなってきています

 

~ しかし それだけれでは不十分でした ~ 

 

しかし それだけでは 不十分と気づくことになります

アジアのフェアトレードパートナーと お洋服を一緒に生産し

現地のことを知れば知るほど

Farm to Fashion

つまり コットン畑からお洋服まで より責任のあるものにしたい 

と思うようになったのです

 

オーガニックコットンの収穫

 

お洋服を縫う女性たちの貧困解決になるフェアトレードだけでなく 

もう一歩進んで 原料のコットンを育てる農家や大地にまで 「つくる責任」を果たしたい 

と思うようになりました

 

農薬を素手で散布する一般的なインドのコットン農家の様子(Purdue University HPより)

 

コットンの農地で 大地が農薬で汚されていること 種が巨大多国籍企業に牛耳られていることなど 勉強をしていく中で わかってきたのです

縫う人に 少数民族や シングルマザー スラムの住民などを最優先にしていくことは これからも変わらず続けていきます

ただ 「縫う人の幸せ」にだけフォーカスしていては 「つくる責任」は十分に果たせていない と思いました

 

 

オーガニックコットンの原料の調達は大変だし 価格も一般のコットンより高めですが

より地球と人を優先した商品を作っていきたい 

そんな思いでオーガニックコットンの取り扱いを増やしていっています

 

~ シサム OC増量プラン 具体的なあゆみ① まずは   ~ 

 

まず オーガニックコットンを専門に扱うフェアトレード&オーガニック認証工場との取引を開始したのが2014年

Sisam Organic という名前をつけ オーガニックコットン100%のニットシリーズを立ち上げました 

これは 比較的スムーズに事業が進み 人気のシリーズとして成長しています

 

 

~ シサム OC増量プラン 具体的なあゆみ② 高いハードル ~

 

問題それまで ふつうのコットンを使って生産を一緒にしてきた小さなフェアトレードNGOの原料調達を オーガニックコットンへ切り替える道

その道には ◎コットンの調達ルート開拓  ◎価格の壁  ◎オーガニック国際認証取得   などなど

高いハードルがたくさんあったのです

 

 

~ シサム OC増量プラン 具体的なあゆみ③ オーガニックコットンの理想と現実 ~ 

 

少しデータを使ってお話しましょう

実は 全地球上で育てられているコットンのうち オーガニックコットンの栽培量は たったの1.4%です

2022年10月最新のレポートで やっと1%の大台を超えて 1.4%になりました

前年の2021年で 0.95%

とにかく 長年ずっっっと 1%の大台を越えられない年月が続いていました

 

 

大企業は 畑をまるごと契約するなど スムーズに原料の調達を行う資本があります

しかし シサム工房のパートナーたちは ミシンが5台しかないなど 本当に小規模の小さな小さなフェアトレードグループです

日本のシサム工房も 資本金 500万円の小さな会社です

そもそも世の中に1%しかないオーガニックコットンは値段も高く 取扱い業者も少ないため 調達が大変でした

世界でのオーガニックブームと 中国の綿畑での人権侵害嫌疑もあり インドのオーガニックコットンは取り合いの様相まで見せています

ちょっぴりしか買わ(え)ないシサムの原料調達はどうしてもコスト高になります

そんな中 現地のフェアトレードNGOのスタッフが原料確保に手を尽くしてくれ

徐々にオーガニックコットンへの切り替えが進められています

 

~ シサムのオーガニックコットン比率 ご報告 ~ 

 

こうした経緯で シサム工房では オーガニックコットンの比率をどんどん上げて行っています

輸入している洋服の商品数で表にすると こうなります

1年間で ほぼ倍増のペースです!

 

 

~ シサムのオーガニックコットンの「バリュー」とは ~ 

 

この流れをさらに進めるために大切なのは シサムのオーガニックコットンの「バリュー」(価値)だと思っています

では その「バリュー」はなにか

農薬で傷んでいないので 柔らかい??

そんな声も聞こえます

でも 実は オーガニックコットンは お店に並んでいるときに 見た目や 匂いや 手触りが オーガニックでないものと

特に変わりません 

そう  特に変わらないのです

sisam organic シリーズは とろけるように柔らかい とお褒めいただくことが多いのですが

実は それは 農薬の有無でなく(!) 原綿の繊維の長さや細さという「品種」によるところと

染め方 糸に撚る工程 編みの工程での 「技術的工夫」 によるところが大きいのです

シサムでは 特に染めの工程で ふんわり柔らかくなる最上級の技術を採用しています

貴重なオーガニックコットンですから 柔らかく最高の着心地に仕上げたい一心です

 

 

では 改めてオーガニックコットンの「バリュー」はなんなのか?

ここから お洋服を語るときに 忘れてはいけないお話をします

みなさんは 今 服を着ていますか?

きっと着ておられると思います

その服は、ご自身で原料を育てて、織ったり縫ったりして作ったものですか?

きっと 自分でない だれかが作ってくれたものを着ておられる方が大半だと思います

世界とグローバルにつながっている現代

今 日本の衣類の 実に98%が 海外からやってきています

 

日本繊維輸入組合「日本のアパレル市場と輸入品概況2022」よりシサム工房作成

 

つまり 今日 日本で着られているお洋服は ほとんど海外のだれかが作っています

 

そんな中 SDGsの「つかう責任」はどう果たしたらいいのでしょう

 

外国の土地や水を大量に使って 綿を育て 自分でないだれかに服を作ってもらっている私たちの

「つかう責任」を対する 一つの答えが

オーガニックコットン かつ フェアトレードの商品だと考えています

 

 

育てる人 作る人 そして 地球を大切にしてできた 服を着ること

それこそが 大切なバリューであり みなさんの心をほっと温かくできると思っています

シサムの扱う物の量は 大海の一滴かもしれません

しかし これからもお客様の共感という力を借りることができれば 大きな伸びしろがある!! と思っています

これからも社員一同 オーガニックコットン&フェアトレードの商品を

そのバリューとともに お客様にしっかりと届けられるよう 少しずつでも取り扱いを増やしていきたいと思っています

たくさんの方に ますます増えるシサムのオーガニックコットン製品

楽しんでいただけるよう

日々 全部署のスタッフで努力を続けてまいります

ぜひ 応援よろしくお願いいたします

 

シサム工房
人見とも子 2022年10月

 

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ここからは 少し 込み入った話になります オーガニック認証について 深く知りたい方は読み進めてください

 

~ さらに  国際認証に思うこと ~

 

みなさん ご存じですか?

実は 日本の法律では 食品でないコットンについては

「国際認証など第三者機関の認証を受けなくても 『オーガニック』と商品に書いて良い」ことになっています

ちまたにも 自称オーガニックコットン製品 がたくさん出てきました

よく見ると あれ? 数%混ぜているだけで あたかも100%のように大きくオーガニックと謳っちゃうんだ と思うものに出会うことも正直あります

グリーンウォッシュが広がらないといいな と 心配になります

シサムだって お客様に心配されないようにしないと という反面教師にしたいです

 

そこで シサムでは 今 OCSという国際認証に注目しています

OCSは 原料から最終製品までの履歴を追跡し その商品がオーガニック繊維製品であることを証明するマークで

正式名称を オーガニック コンテント スタンダード と言います

 

シサムの商品にも どんどんこの国際認証コットンを使用する商品を増やしています。

 

そして ここからが 少し込み入ります

 

実は 原料に オーガニックコットンを100%使っていても 私たちのフェアトレードの生産者パートナーによっては

国際認証を取れるところと 取れないところ がありました

OCS認証には 様々な複雑なルールがあって それをクリアするには 資金力と組織力がいることが 調べるほどにわかってきました

説明をします

認証では オーガニックの「真正性」を担保するために 「トレーサビリティ」が肝になります

つまり 「店頭からFarm(農地)まで遡れるか」 が大切になります

例えば コットンを 染め屋さんから 織り職人さんの工房に 移動させるとき

「たしかに ここからここに 何キログラム移動した」という証明書を切らなければなりません

また 証明書の発行には 当然 パソコンを使った事務手続きが必要ですし 1回につき 15$ほどお金を払う必要があります

さらに 工房ごとに IN とOUTのつじつまの合った帳簿の保管を求められ

それは どんなに小さな生産者でも例外がありません

例えば インドの片田舎の村にいる 教育を受けたことのない2,3人のおばあちゃんたちのグループであっても お目こぼしはありません

相当額の年会費も 原料が通過する一つひとつの工房が 個別に払う必要がありました

これが ハードルが高かった

実に高かった

 

つまり 「認証のせい」で フェアトレード生産者の収入が減る事態も予想されたのです

 

フェアトレードで貧困から抜け出そうとしている小さな生産者たちに付いてきてもらうには

認証コストのために生産者が手にするお金が目減りする分 また 帳簿管理の手間が増える分

「注文が増える」「収入も増える」というメリットがしっかりある必要がありました

 

今回 星のように点在するあまりにも小さな手仕事の工房をサポートしているSashaというNGOからは

「認証マークを付けるのは とてもとても無理だ 」と回答されてしまいました

 

 

シサムでは こうしたNGOの商品は コットン糸の買い付けの時のオーガニック証明書の確認だけで十分とし

商品にOCS認証マークが付けられなくとも フェアトレード生産者に仕事を提供するミッションの方を優先すべきと判断しました

そんなNGOの商品には シサムオリジナルの「自称オーガニックコットンマーク」が付いています

揶揄ではありません

考え抜いてのベストアンサーとしての マークです

ぜひ お店でこのマークも 探してみてください

 

 

背景の事情を包まずお話ししましたら こんなに長くなってしまいました

シサムの辿っている紆余曲折を お話しました

さて

シサム工房では 本当にいろいろな規模の いろいろな社会課題に取り組むフェアトレードNGOとお付き合いしています

認証関連の手続きをやりこなす人材と規模を持つNGOもあれば

先ほどの例のように 生産者グループの 単位が小さすぎて対応できないNGOもありました

 

認証は 排除の力も持っていることを知った一件でした

その怖さも十分わかったうえで それぞれの生産者にとっての「ベストアンサー」を探りながら オーガニックコットンの拡大の歩みを進めていきたいと思っています

ぜひ 応援いただければ心から嬉しく思います

シサムのフェアトレード生産者パートナー

 

~ こぼれ話 ~

 

シサムのフェアトレード商品を継続して買ってくださっていた世界的に有名な とある環境団体様から

「今後はオーガニック国際認証のある商品しか買わないことになりました」と通告されました

先述のパートナーが対象商品の生産者だったので 必死で認証取得に走り回りましたが 結果は 上の通りです

「認証」は オーガニック性を証明するための よく工夫された知恵です

ですが こうして フェアトレードで大切にしたかった小さな生産者こそ 費用や規模や教育レベルなどが壁となり

取りこぼされることがある ということを 環境団体様にもありのままにお伝えしました

先方からは 「我々もそこに課題を感じています」 とご理解のある回答いただき フェアトレードの 「板挟み感」 を共有できたことを思い出します

 

長くなりました

最後までお読みいただきありがとうございました

一筋縄ではいかない オーガニックコットンとフェアトレードのお話でした

これからも フェアトレード的バランス感覚を 考え続けていきたいと思います

人見とも子

 

#つくる責任 #つかう責任