2021年2月24日(水)

シサム卸通信第54号

『 てとて Project  
こんにちは、シサム工房の片岡です。
この春に新たに始まる『てとて Project 』を、今号で皆様にご紹介をさせて頂きます。
今回のプロジェクトには弊社の布帛の開発担当の水上(みずかみ)と、卸チームの多根(たね)の、
手仕事への敬意と熱い思いから始まりました。手から手へ、大切に作られてきた商品にまた新たな光を灯し、さわやかな風を吹かせられる事に、シサムスタッフ一同わくわくしております。
長くなりますが、どうぞ最後まで読んで下さいね。

■てとてProjectはじまります


卸チームのタネです。久しぶりのコメント担当でドキドキしています。
ちょど昨年の今頃だったと思いますが、いまだに、まさか世の中が”見えない”ウィルスによって、まるで時が止まったかのように人や物すべての「当たり前の世界」がどこかへ行ってしまいました。

シサムでも、みんなで沢山の事を考え、発信をしたり、チャレンジした一年。
しかしながら、現実は想像以上に厳しく、せっかく生産者の皆さんが心を込めて作ってくれた沢山の製品が、倉庫の中で出番を待ち、出る場もなく、「在庫」として箱に眠ることになってしまいました。

私は、日ごろ卸の営業だけではなく、シーズンアイテムの商品開発と在庫の管理にも携わっています。

そのなかで、一番の難題は2020SS collectionの「在庫をどうするか!」という課題。
せっかく作ってもらった製品をなんとか生かしたい!いろいろなアイデアのなかで、以前からいつか取り組んでみたかった「染め直し」のプロジェクトを立ち上げることになりました。

商品開発の水上と共に、手染めやさん(tezomeya)に出向いて、相談にのってもらい、たくさんの事を学びながらプロジェクトが進み、サンプリングへ。

美しい刺繍に新たな色を重ねることで、さらに美しくよみがえった製品を目にした瞬間は今でも忘れられません。同じくプロジェクトを立ち上げた開発担当の水上も、「刺繍が浮き立って見えて刺繍が喜んでるいるよう」ととても嬉しそうでした。
いつまでも、永く、まさしく「愛用」していただけるお洋服。
これからも皆様にお届けできる幸せを繋げて行きたいと思います。



■ 第1回ご注文期間:2021年2月22日(月)~2021年3月8日(月)
■ 納期予定:2021年4月中旬~下旬予定
世界フェアトレードデイが設定されている毎年5月を、シサム工房ではフェアトレード月間として様々な取り組みを行っています。
皆様のお店でもぜひフェアトレード月間に向けて、こちらの『てとて』の商品をご紹介ください。
上記の日程までにご注文を頂けますと、4月下旬頃にお届けさせて頂きます。

※ご注文はそれ以降も受けられます。(在庫がなくなり次第終了です)

■Royal Heritageシリーズが届くまで

インドの フェアトレードNGOカラティマクは、毎年春夏シーズンを華やかに彩る手刺繍シリーズ

Royal Heritageを作ってくれている団体です。

母から子へと受け継がれる「手刺繍」には、毎シーズンあらゆる思いをそこに込めて表現をしています。

伝統的なモチーフを活用することもありますし、まったく新しい柄を考え、刺繍をするための木版を彫ってもらう事からスタートすることもあります。

昨年の2020SSシリーズでは、オリンピックが開催される年だったということで、世界平和を願い、

ところどころに平和へ思いを表現したアイテムをリリースしました。

英語でいうところのPEACEを意味する「PACE(パーチェ)」を、植物のモチーフで表現したワンピースは、まさにそれを象徴するものでした。


服を作る人、刺繍の為の木版を彫る人、刺繍をする人、生地をきれいに洗う人、チェックする人・・・沢山の人々の「手」を経て、Royal Heritageは私たちの元に届けられます。



■tezomeyaさんについて
染めて頂くのは京都で⾧く草木染に取り組んでおられる tezomeyaさん。
「草や木が持っている素晴らしい色目をできるだけ多くの方々に楽しんで頂きたい」を願いに工房を営
まれています。
生産者のひとたちの沢山の「手」を経て大切に作られた商品が、次はtezomeyaさんの「手」に渡り、
大切に一枚一枚染め上げられていきます。


染め色はアイ(BL)、ザクロ(YE)、ヤマモモ(KH)、アカネ(PK) の4種類。
ご注文を頂いてからお届けまで約1カ月~1カ月半。お客様がご購入後、月日を経て色が褪せてしまったものは、何度でも無料で染め重ね「染めのおかわり」として承ります。


BL(藍)

インド藍を使用したBL。鮮やかな藍色は、やっぱり心ときめく色。刺繍を浮き上がらせるような色味ですが、甘さを抑え颯爽とした雰囲気に。(20SRH0403 ショートクルタ着用)

YE(ザクロ)

ザクロの果実の皮を使った優しいYE。
肌なじみも良く、まるで春の野に咲くたんぽぽのよう。(20SRH0401 クルタ着用)


KH(ヤマモモ)

渋さと格好良さが素敵なKHは、ヤマモモの樹皮を使っています。
落ち着いた印象で大人な雰囲気に。(20SRH0401 クルタ着用)

PK(茜)

肌色にすっと馴染む優しいけれど、はっきりとした中間色のピンク。
インド茜の根っこを使って染めています。(20SRH0403 ショートクルタ着用)

■作業工程

手染めは1つの洋服を染めるだけでも、最低でも丸3日かかるといいます。
全て手作業なので状態を確認しながら慎重に作業を行っていきます。

アカネ(RD)はインド茜の根っこ、ザクロ(YE)は果実の外側の皮、ヤマモモ(KH)は樹皮を細かくし、乾燥したものを素材に用います。

まずは染料を作ります。材料となる植物を煮出していきます。
エキスを煮出して漉す、また煮出して漉すを合計3回繰り返します。
1回煮出すのに約1時間程かかるので、これが合計3セット。

煮汁に焙煎液を加え染料をつくります。大きな鍋に移し、ここに染めたいものを入れていきます。
この時、生地がなるべくしわにならないように、整えながら慎重にいれていきます。
しわになってしまうと、ここから色ムラの原因になってしまうからです。火にかけながら絶えずかき混ぜ続け、まんべんなく染料が行きわたるようにします。
火を止めて一晩寝かせ、色を定着させます。
翌日二度目の媒染を行います。前日と同じように染料に浸しながら、絶えずかき混ぜ続けて、更に色を定着させていきます。そして更にもう一晩寝かせます。


色が定着したら洗濯をして、しっかりと干していきます。干すときもしわにならないように気を使いながら慎重に・・
染めあがったお洋服は、優しい色をまとい新たに命を吹き込まれたよう。

■藍染めについて

藍染めにはインド藍を粉末にしたものを科学だて化学建て(かがくだて)したものを原料に染料を作っています。伝統的な「灰汁」や「すくも」とよばれるものを使った天然建てとは異なり、「還元剤」を使って建てます。藍を水に溶かして生地に色を入れる為に必要な作業です。

だまにならないようにしっかりと混ぜて漉していきます。
澄んだ液体の上に「藍の華」と呼ばれるボワボワしたものが盛り上がった状態になると、「藍が元気でいる状態」を表します。

染めるときも、引き上げるときも細心の注意を払います。
ムラにならないように手早く作業することが一番のポイントです。
染料の中では緑色のような黄色のような色合いだったのに、空気に触れる事で酸化して、深い藍色に変化します。干して15分ほど放置し、また染めてというのを3回繰り返すことで、色がしっかりと入っていきます。

■てとてProject対象商品

■20SRH0201-TE tezomeカシュギャザーワンピース
¥15,000(税込¥16,500)
染色可能なお色味は、 オーダーフォームをご確認下さい。
染色前の商品は下記のページからご覧ください。

■20SRH0203-TE tezomeパーチェシシュウワンピース
¥14,000(税込¥15,400)
染色可能なお色味は、 オーダーフォームをご確認下さい。
染色前の商品は下記のページからご覧ください。

■20SRH0401-TE tezome KURTA
¥13,000(税込¥14,300)
染色可能なお色味は、 オーダーフォームをご確認下さい。

■20SRH0403tezome ショートクルタ
¥12,000(税込¥13,200)
染色可能なお色味は、 オーダーフォームをご確認下さい。

■20SRH0601-TE tezome ユッタリシシュウトップ
¥12,000(税込¥13,200)
染色可能なお色味は、 オーダーフォームをご確認下さい。

■販促用の商品タグとPOP

tezome商品には全て専用の商品タグをお付けします。
洗濯方法や色移り、変色に関して、長くご愛用頂くためにもご理解を頂けたらと考えています。
「染め重ね」に関する事は、お店でご案内を頂きますようお願い致します。
またPOPもご利用頂けるよう、準備をしております。

■2021 Spring&Summer Collection 入荷

<入荷済・出荷可能>

KALATMAK(盛夏アイテムを除く)
Sasha
DEW new!
********************************


21SSコレクション、ぜひもっともっと見てみたい!というお客様へ!!

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    \ \ \ \ \ ZOOM商談会予約受付  / / / / /  /  
まだまだご予約お待ちしております!!
ギフトショーや展示会で実物を見たかった・・・という沢山のお言葉を頂いております。
卸スタッフとの1対1のやりとりで、2021Spring & Summer Collection を改めてじっくりと
ご覧いただくことができます。

どんな些細なご質問でもOK!卸スタッフが丁寧にお応えさせて頂きます。

〇日程:2月26日(金)

 <完全予約制・先着順>

※一部日程によって時間が限定されている箇所があります。
ご注意ください。


〇時間:各回45分 (1日6回)※

 10:30~、11:30~、13:30~、14:30~、15:30~、16:30~

上記日程にて、卸担当者と1対1での展示・商談会となります。
まずは、下記リンクより予約状況をご確認の上、メールまたは、お電話にて
時間枠のご予約をお願いいたします。

(メール:oroshi@sisam.jp   / TEL: 075-712-2336)
ご予約された方は、カタログ、WEBカタログ等ご覧いただいたうえで

確実に確認したい商品の品番・品名をメール(oroshi@sisam.jp)
にて前日までにお知らせください。

 \\ シサムも参加しています //

■ つながりで、想いをとどける フェアトレードコイン
最近よく聞く「フェアトレードコイン」っていうワード。
皆さまも是非参加されませんか?

■フェアトレードコインの記事が繊研新聞さんの一面に掲載されました!

編集後記

卸スタッフ カタオカ
今回プロジェクトに携わってくださっている京都の
tezomeyaさんの商品を、かつて直営店で販売をしている時に取り扱いをしていました。
単に「ピンク」や「青」「黄」などと表現するには難しいほどの、深くて優しくて絶妙な色合いに、初めて見たときはどきどきしてしまいました。
しかもこれらが自然界の色という事に心底驚き、魅了されてしまいました。
「繊細な草木染を商品化することはとても難しかったけれど、tezomeyaさんの染めに対する真摯な姿勢を見て、このプロジェクトが間違いなく良いものになると確信した。」という開発担当の水上の言葉も印象的でした。
単一ではなく時々で変化する草木染を、皆さんにもぜひ楽しんでご紹介して頂きたいです。

シサム工房 卸チーム

京都市左京区田中西樋之口町94-2
営業時間 9:30~17:45(土日祝不在)
卸専用電話番号: 075-712-2336

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