
7月26日、大阪のシサムコウボウ くずはモール店が営業を終了しました。
これまで足を運んでくださったお客様、支えてくださった関係者の皆さま、そしてお店をつくってきたスタッフに、心から感謝しています。
くずはモール店の営業終了を迎え、改めて考えたことがあります。
それは、私はやはり「これからのお店」をつくりたい、ということです。
日本では、エシカルな視点をもってお買いものをすることが、まだ日常の選択肢として十分に広がっているとは言えません。
フェアトレードやエシカルという言葉は以前より身近になり、オーガニックコットンやリサイクル素材など、環境に配慮した商品もさまざまなお店で見かけるようになりました。
これは、とても嬉しい変化です。
一方で、価格の安さや手軽さ、豊富なデザインを強みにした、気軽に買えて、気軽に手放せるファッションが、いまも大きな支持を集めています。
環境や人権について「知っている」ことと、実際のお買いもので「選ぶ」こと。
その間には、まだ距離があるのだと思います。
「いいこと」だけでは、選ばれない
フェアトレードに携わる私としては、フェアトレードの仕組みでつくられた製品を、もっと身近な選択肢として社会に提案していきたいと思っています。
使い捨てではなく、つくったものを大切にして長く使う。
そんな「もののロングライフ」も提案していきたいと思っています。
そのためにも、「フェアトレードだから」「環境にいいから」という理由だけで「選んでください」と伝えるのでは、十分ではないと思っています。
同時に、「これ、好きだな」「着てみたい」「長く使いたい」と感じる商品の魅力は、デザインや品質、価格だけではありません。
それがどんな人によって、どんな方法でつくられ、地球環境にどんな影響を与えるものなのか。
その生産背景もまた、その商品の大切な魅力の一つだと思っています。
どれだけ気に入った商品でも、その背景に賛同できなければ、選びたいとは思えない。
反対に、商品そのものと、つくり手の想いや地球への配慮などの生産背景、その両方に共感できたとき、商品の魅力はもっと大きくなる。
そんなお買いものの体験をつくっていきたいと思っています。
私たちがつくりたい「これからのお店」
シサム工房が目指しているのは、
「人も、地球も、自分も、うれしいお買いもの」を提案する場所です。
つくり手が安心して仕事を続けられること。
地球環境への負荷をできるだけ小さくすること。
そして、買った人自身が「好き」と思えて、長く大切に使えること。
この三つが一緒にあるお買いものを、もっと身近な選択肢にしていきたいと思っています。
でも、どれだけ背景の素晴らしい商品をつくっていても、その価値がお客様に伝わらなければ、選択肢にはなれません。
商品のデザインや品質、価格はもちろん、店内の空間、接客、商品の見せ方、発信する言葉、オンラインストアでの体験。
お客様がシサムと出会う一つひとつの場面で、その価値をきちんと届ける必要があります。
今年、シサム工房では、「選びたくなる理由として、フェアトレードを伝える」ことを大切なテーマにしています。
このテーマについて考え続ける中で、僕の中では少しずつ言葉が変わってきました。
「フェアトレードだから選ぶ」だけではなく、
「フェアトレードブランドのsisamだから選びたい」と思っていただける存在になりたい。
フェアトレードは、シサム工房の大切な土台です。
けれど、僕たちが届けたいものは、「フェアトレード」という言葉そのものだけではありません。
つくる人のことを考えること。
地球のことを考えること。
ものを長く大切に使うこと。
そして、買う人自身も心からそのものを楽しめること。
それらを、商品やお店、スタッフとの会話を通して体験していただくことが、シサム工房らしさなのだと思います。
それは店舗だけではありません。
全国のお取扱店、オンラインストア、イベントや発信など、お客様とsisamが出会うすべての接点で、その価値を届けていきたいと思っています。
「なぜ、sisamを選ぶのか」。
その答えを、もっと分かりやすく、もっと楽しく、そして魅力的に届けられるように。
くずはモール店の営業終了という節目を迎えた今だからこそ、改めて「これからのお店」を考えています。
フェアトレードを、特別な人だけが選ぶものではなく、日々の暮らしの中で自然に選びたくなるものへ。
そして、
「これが好き。しかも、sisamだから、もっと好き」
そんなふうに思っていただける商品やお店、ブランドに育てていきたいと思います。
これからも、シサム工房は「これからのお店」を考え続けていきます。
シサム工房
ミズノ








